スギノキミドリイシ
リーフ内のスギノキミドリイシ。あと一時
間もすれば水面がぎりぎりまで下がって
しまう。
この写真は大潮の干潮時で、水面ぎり
ぎりまでスノキミドリイシが生長している
。水面で見事にカットされたように見え
るが、これが生長の限界で、これ以上
うえには伸びることは出来ない。逆にい
うと、干潮時にどこまで潮が引くかを
サンゴが教えてくれてるというわけで
ある。このサンゴが、リーフの内側を
数種の枝サンゴとともに埋め尽くして
いることが多い。しかし現在では、こ
写真のように元気な群落はほとんど
見られなくなってしまった。高水温によ
る白化、赤土の流出、オニヒトデによ
る食害、被害のひどいところでは魚類
はおろか、ウニ、カニ等生物がまった
く存在しない死の海になってしまった。
リーフの内側というのは波静かな穏
やかな海で、魚たちが生まれ育つゆり
かごなのだが、ゆりかごがなくては生
まれても育つことが出来ない。近年沖
縄方面で見る魚の数が、極端に少なく
なったように思う。関東近海に流れてく
る死滅回遊魚が減ったのも、黒潮の
流れより、このことが大きな原因ではな
いだろうか。